SWITCH.3

2022.05.20

アウールな人

RYOSUKE
NIHONYANAGI
二本柳 陵介
株式会社幻冬舎 メディア本部 雑誌局
編集者
二本柳 陵介
株式会社幻冬舎 メディア本部 雑誌局 編集者

普段は簡単な場所で食事をするが、ご褒美にはとっておきの場所へオシャレをして出かける。そんな日常の中にある、ささやかなこだわりで、ひとはスイッチを入れる瞬間がある。ライフスタイルを上質に彩る、彼のスイッチに迫ってみた。

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自身のライフスタイルで
スイッチをいれるモノ

「ランニング」 書籍でミリオンセラーを出しつつも、雑誌等の編集長も務める二本柳さんにとって、2年前から週2日ほど欠かさず続けている習慣が“ランニング”。編集者という忙しい日々の中で見つけた、自分のスイッチと過ごす、二本柳さんの上質なライフスタイルを覗いてみよう。

- 編集者としての仕事の魅力は?

二本柳:会いたい人に会える。そのタイミングを引き寄せるのも自分次第ですが、見返りなど関係なく、その人(取材対象者)の考え方やパーソナリティ、魅力を最大限に引き出し、尊敬と愛情を持って表現して広く伝えることができる、この仕事に魅力を感じます。自分は才能がないので、才能のある人を表現することに使命を感じるのかも。ヒットを生み出すには、著者への尊敬が必要です。本を作ることに正解はないのですが、見出しやタイトルひとつにも、責任の重さがあります。「頼んだらちゃんとやってくれる」と、信頼してもらえる自分でいたいと常に思い、編集という仕事に向き合っています。

- ランニングを始めたきっかけは?

二本柳:2年前、コロナ渦で生活運動量の低下を感じました。このままでは肥える!と思ったので、コロナ禍を利用して「痩せてみよう」と。細かいのですが1年間で0.2キロずつくらい太っていた感覚があり、いわゆる中肉中背。血液検査をするなどして自分の食事を見直しつつ、ほぼ毎朝10〜12キロ、「起きたら即、走る!」ことを自分に課しました。結果、4ヶ月で11キロ減。ただ、「やりすぎ!」と周囲に言われたので今は少し体重を戻しました(笑)。ゴルフ友達でもある橋本淳さんもブラジリアン柔術で身体を変えていたのをSNSで見ていて、「僕も負けない!」なんて励みにもしていました。昨年末にはランニングのテレビ番組でマラソンを走る企画にも出させてもらったり、これまで接点がなかったアスリートと出会えたり、トレーニング関連の仕事も増えていきました。今は、長野マラソンでサブ4ができたので、次は3時間半を切れるように練習をしています。あとは山!夏場にはトレイルランニングの大会にいくつか出る予定です。

- ランニングをすることでどんなスイッチが入りますか?

二本柳:ランをすることでスイッチは入らないかも(笑)。とくに楽しくもないし実はそんなに大好きでもない。僕にとってランニングはもはや仕事のひとつだと思っています。仕事と趣味の境界線がなく、興味があることがすべて企画になり、仕事に繋がる。たとえ興味がないことでも、とりあえず何でもやってみよう精神で、日々アンテナを張っているので頭はフル回転。でも走っている間だけは、何も考えず仕事からしばし解放されるし、頭をクリアにするスイッチでもある。新しい企画はすべてが“ヒラメキ”から生まれるので、それを生むために、走っているのかもしれません。ただ、時折インターバル走などをしていると、「あれ?なんでこんなにダッシュしているんだ?」と思うこともありますが、PCを長期間使っているとCPUが遅くなるように、脳も加齢と共に劣化して重くなる。でもランニングに出合ったおかげで、体脂肪も8〜10%まで下がり、ホルモン年齢も31歳と診断されるなど、脳も心身も共に若返った感覚はあります。また、メンズのウェルネスにも注目していて、「二本柳はカラダに関する情報を集めているようだ」と美容やメンテナンスに対する知見や取材も増えてきています。ランニングを基点として、編集者としてのタグが増えたと思います。

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- アウールの服を着た感想は?どう着こなしたいですか?

二本柳:デザイナー橋本淳さんのクリエーションが、アウールの服のシルエットに表れているなと感じました。彼は本当に細部にこだわる!パンツの細めのラインが美しく、ジャケットもストレスなく着こなせる。ネイビーひとつにしても、発色にこだわりが強く込められていて表情があり、いい意味妥協していない。僕は普段着る服は、飽きない黒やモノトーンばかりで、落ち着く色やどこのブランドかわからないアイテムを好みます。ファッションに近い業界なのに、できるだけ服でインパクトを残したくないし、服が悪目立ちするのが苦手。できるだけシンプルで、でも上質ないいものを5年とか長く愛用したい。そんな僕の気分に、アウールの服はぴったり。デニムが好きなので、アウールのジャケットなどを気負いなくプラスするなど、自分のワードローブにすぐに合わせられるところも魅力的だと感じました。

- 仕事で大切にしていることは何ですか?

二本柳:変幻自在でありたい、ということですかね。「話を引き出す」「心をひらいてもらう」ためには、「この人といると心地いい」「この人のために」と思ってもらうことが大事です。相手がどんな人なのか想像して、接するキャラクターや間(ま)を変えています。あとは、マネージャーさんや裏方さんを大事にすること。その人が大切にしている親しいスタッフさんだからこそ、本人だけじゃなく周囲の人を含め、丁寧な関係性を築くことを心掛けています。

Photo:Akira Maeda(MAETICCO)
Text:Mayuko Hamaguchi(SEASTARS Inc)
Location:Re.Ra.Ku PRO永田町店 ランニング&カフェ

PROFILE

二本柳 陵介(にほんやなぎ りょうすけ)
1976年、北海道生まれ。
株式会社幻冬舎 メディア本部 雑誌局 編集者。集英社で編集アルバイトを経て、講談社『ホットドッグ・プレス』の編集を担当。2001年当時珍しかった「NIKE」のブランドブックを手掛け、即完売。2004年幻冬舎入社。雑誌『ゲーテ』の元編集長(2015-2020)。雑誌編集の傍ら、長谷部誠『心を整える。』(154万部)、内田篤人『ウチダメンタル』、中村俊輔『察知力』、桑田真澄『心の野球』、香川真司『心が震えるか、否か。』などのベストセラーも担当。最新の担当作は鳥羽周作『本日も、満席御礼。』。時計ブランドや百貨店のカタログや、ゴルフ場運営会社『アコーディア』や『コーンズ』などの会報誌も手掛ける。

Photo:Akira Maeda(MAETICCO)
Text:Mayuko Hamaguchi(SEASTARS Inc)
Location:Re.Ra.Ku PRO永田町店 ランニング&カフェ